【配偶者ビザ】6つの申請ルートと、必要書類やリスク回避方法など【まとめ】

更新:2021年1月7日

行政書士 佐久間毅

配偶者ビザ申請の6つの申請ルート

配偶者ビザとは、正式名称を在留資格「日本人の配偶者等」といい、日本人と結婚された外国人の方が日本で結婚生活を送るために取得するもっともオーソドックスな在留資格です。

 

在留資格とは、日本に滞在するために必要な法的資格で、日本には現在29種類の在留資格があります。

それぞれの在留資格には取得のための条件があり、日本で許容される行動の範囲も在留資格ごとに異なります。

 

正式名称が少々とっつきにくいこともあり、就労ビザ、留学ビザなどの呼称とならんで、大多数の方が「配偶者ビザ」と呼称していますので、この記事でも配偶者ビザという言葉で解説していきます。

 

海外にいらっしゃる結婚相手を日本に呼び寄せる場合には配偶者ビザを取得することになりますが、

すでに就労ビザや留学ビザで日本に滞在している外国人の方が日本人と結婚をした場合には、

結婚後も従前の在留資格の条件を満たしつづけるかぎりにおいて、配偶者ビザに切り替える義務はありません。

 

しかしながら、配偶者ビザを取得すると就労に制限がなくなるなどのメリットがあるため、

すでに他の在留資格をおもちの多くの外国人の方も、日本人との結婚を契機に配偶者ビザに切り替えるかたが大半です。

 

配偶者ビザ申請について解説する行政書士

外国人と国際結婚をされた日本人の方は、今後どちらの母国で結婚生活をおくるのか、あるいは第三国で結婚生活をおくるのか、

ご夫婦やそれぞれのご両親などの意向をふまえて決定することとなりますが、

これから日本で結婚生活をおくるという場合には、外国人のお相手が日本の配偶者ビザを取得する段取りにとりかかります。

 

ところが、配偶者ビザは原則として自由に就労できる在留資格であるために、日本では偽装結婚が多く発生していることから、

おなじく過去に不正が横行した興行ビザとならんで審査が非常に厳しいことで知られており、

収入状況の立証や、婚姻の真実性の立証に失敗して、結局お相手の母国での結婚生活を余儀なくされるかたが多くいらっしゃいます。

 

なかにはイギリスなどのお相手の母国ですでに配偶者ビザが不許可になったために、

日本の配偶者ビザが不許可になれば、結婚生活をあきらめるか、第三国での結婚生活を検討せざるをえないといった切羽つまった状況のかたもおいでになります。

 

配偶者ビザは、苦労して取得してしまえば、在留期限はあるものの、永住者なみの自由で快適な生活を送ることができます。

一方で、失敗したらお相手に申し訳がたたないことから、一歩をふみだす勇気をもてずにいる人が多いのも事実です。 

 

そこでこの記事では、日本で最もアクセスを集める配偶者ビザ専門サイトを運営し、

日本有数のレベルで配偶者ビザ申請をお手伝いさせていただいている

東京のアルファサポート行政書士事務所が、

配偶者ビザの6つの申請ルートリスク回避方法について、わかりやすく解説していきます。

 

では、6つの申請ルートを順番に見ていきましょう!

 

6つある配偶者ビザの申請ルート

そもそも配偶者ビザとは、日本に滞在するための法的資格である在留資格の1つです。

 

この在留資格を取得するためには、まだ何も在留資格をもっていないかた新規取得するルートが3パターンと、

すでに他の在留資格をもって日本に滞在中の方が、その在留資格を配偶者ビザに変更するルートが2パターンあります。

また例外的に、これまで日本人Aさんと結婚していた外国人が離婚し、別の日本人Bさんと再婚した場合は、配偶者ビザを更新申請をすることがあります。

 

これらを合計すると、6パターンあることになります。

 

配偶者ビザの申請ルート①:日本人が海外から呼び寄せるケース

配偶者ビザの申請方法の1つ目は、海外にいる外国人を日本在住の日本人が呼び寄せるケースで、入管法という法律が予定する最もオーソドックスな方法です。

 

入国までのおおまかな流れは、まず日本人が外国人のために日本の入国管理局(出入国在留管理局)に在留資格認定証明書の交付を申請します。

この申請の必要書類の詳しくは、別記事「配偶者ビザの必要書類」でご紹介していますので、あわせてご確認ください。

 

在留資格認定証明書が無事に交付されたら、その在留資格認定証明書をもちいて、外国人のお相手が日本の在外公館で査証申請をします。査証が発給されると、日本に入国することができます。

 

在留資格認定証明書が不許可になったり、査証が不発給となった場合は再申請をすることができますが、不許可になった理由を解決しないと何度申請しても同じ結果を得ることになります。

 

※コロナ禍においては、時期や国によっては入国制限措置がとられていますので、別記事「配偶者ビザとコロナ」をあわせてご確認ください。

 

これまで別々の国で暮らしていたことから、夫婦の双方が職に就いて独立に生計をたてていたケースが多く、配偶者ビザの条件である「収入の継続性・安定性・額」の3点を立証するにあたっての証拠が十分にあるケースが多いですが、そうでない場合は要注意です。

 

すでに日本にくらしている外国人と結婚するケースと比較して、国をまたいだ遠距離恋愛であるケースが多く、婚姻の真実性の立証のための証拠がそろわないケースが多くある申請方法です。

 

配偶者ビザの条件については、別記事「配偶者ビザの条件」でくわしく解説しています。立証については、別記事「配偶者ビザのポイント」をご確認ください。

 

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配偶者ビザ 必要書類

配偶者ビザ 条件

配偶者ビザ ポイント

 

配偶者ビザの申請ルート②:夫婦ともに海外在住であるケース

配偶者ビザの申請方法の2つ目は、夫婦がともに海外で暮していたが同時に日本への移住することを希望していて、しかも入国時に配偶者ビザを取得するという方法です。

 

入国までのおおまかな流れは、まず日本人の親族が外国人のために日本の入国管理局(出入国在留管理局)に在留資格認定証明書の交付を申請します。

 

日本人配偶者が住民票をかつて住んでいた日本の市区町村に残したままにしてあるケースにおいて、ときおり日本人配偶者が招へいできると思われている方がいらっしゃいますが、海外在住の期間が、日本に住民票を残したままにしておいても住民基本台帳法上の違法にならない範囲であるかをまず確認しましょう。

 

市区町村役場は租税公課がきちんと支払われているかぎり、その方がどこに住んでいるのかを追及する動機がありませんが、入国管理局は日本人の出入国記録を把握していますので、長期にわたりその市区町村に住んでいなかったことはたちどころに把握されます。

 

また、本当に日本に在住しているならば、住民税が非課税ということも通常はありませんので、その点でもつじつまがあわなくなるケースが多いです。

 

在留資格認定証明書が無事に交付されたら、その在留資格認定証明書をもちいて、外国人のお相手が日本の在外公館で査証申請をします。査証が発給されると、日本に入国することができます。

在留資格認定証明書が不許可になったり、査証が不発給となった場合は再申請をすることができますが、不許可になった理由を解決しないと何度申請しても同じ結果を得ることになります。

 

 

この配偶者ビザの申請方法を選択することができるのは、主として海外赴任をしていた日本のビジネスマンとなります。

なぜなら、海外赴任をしていた日本のビジネスマンは帰国後も同じ会社で仕事が継続するため、配偶者ビザの条件の1つである「収入の継続性・安定性・額」を立証するにあたっての証拠が十分にあるケースが多いからです。

 

外国人が同じ会社の海外支社から日本支社に「国をまたいだ異動」をするようなケースでも、配偶者ビザの条件を立証することができるでしょう。

 

一方で、夫婦ともに現地採用であり、帰国のために現地企業を退職し、来日後の就職先が決まっていないようなケースでは、別の申請ルートを選択される方が大半です。

たとえば来日後の就職先は決まっていないが、小さなお子さんの養育の必要からどうしてもご夫婦で同時に来日したいというケースでは、外国人が短期滞在で入国し、日本滞在中に就職先をみつけるという方法もあります。こちらは5つ目のルートとして後述します。

 

海外在住のご夫婦の同時帰国は、そのご夫婦がおかれている状況、とりわけ日本での就職先の確保の有無によって、難度がまったく異なります。また、結婚してからの年数や子供の有無なども配偶者ビザ許可・不許可の成否にかかわってきます。

 

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配偶者ビザ 必要書類

配偶者ビザ 条件

配偶者ビザ ポイント

 

配偶者ビザの申請ルート③:外国人が日本でみずから申請し、出国して結果を海外でまつケース

配偶者ビザの申請方法の3つ目は、配偶者ビザを日本人が申請するのではなく、外国人がみずから申請をするケースです。

法的に正確な表現をすると、すべての配偶者ビザは外国人本人が申請をするものなのですが、申請先が日本の入国管理局であるため、多くは日本人が代理人として申請をしています。

ところが、あくまでも配偶者ビザは外国人本人が申請人なので、外国人がなんらかの事情で日本に滞在しているときには、もちろん外国人本人も申請をすることができます。

 

この申請方法が選択されるケースは主に2つの場合ですが、件数としては多くありません。

 

ひとつは、観光や知人訪問などの短期滞在で日本に滞在中の外国人が配偶者ビザへの変更申請をすることは法律上、明文で原則として禁止されているため(後述する5つ目のルート)、それを避けるために、配偶者ビザの申請は日本でみずからが行なうが、その後出国して結果は母国などの海外で待つ場合です。

 

もうひとつは、これまで就労ビザや留学ビザで日本に滞在していたかたが、結婚を契機に配偶者ビザを申請するものの、長年帰っていなかった母国に結婚の報告をかねて里帰りするようなケースです。

後述のビザ変更という方法で配偶者ビザを申請しても良いのですが、変更申請の場合には許可される条件として「素行の善良性」が強く求められるため、強い要請をすこしでも回避するために申請戦略的にいったん帰国することがあります(蛇足ながら、入管も認めている「合法的な」申請戦略です。)。

 

入国までのおおまかな流れは、まず外国人である御本人がみずからのために日本の入国管理局(出入国在留管理局)に在留資格認定証明書の交付を申請します。

 

在留資格認定証明書が無事に交付されたら、その在留資格認定証明書をもちいて、外国人のお相手が日本の在外公館で査証申請をします。査証が発給されると、日本に入国することができます。

在留資格認定証明書が不許可になったり、査証が不発給となった場合は再申請をすることができますが、

不許可になった理由を解決しないと何度申請しても同じ結果を得ることになります。

 

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配偶者ビザ 必要書類

配偶者ビザ 条件

配偶者ビザ ポイント

 

配偶者ビザの申請ルート④:中長期の在留資格から変更するケース

配偶者ビザの申請方法の4つ目は、これまで日本に中長期的に滞在していた外国人の方が、日本人との結婚を契機に、日本にいながらにして配偶者ビザへと切り替える申請方法です。

 

一般のかたは、海外から新規に入国する外国人よりも、すでに日本でくらしている外国人のほうが配偶者ビザをもらいやすいと考えがちですが、ビザのプロは逆にかんがえます。

なぜなら新規入国者よりも、ビザを変更するかたのほうが、審査される項目が多くなるからです。

 

詳しくは配偶者ビザの条件について解説した別記事をご参照いただきたいのですが、簡単にご説明すると、海外からの新規入国者が配偶者ビザを申請する場合には、婚姻の真実性の立証と、収入の継続性・安定性・額の立証が成功しているかが審査されます。

 

いっぽう変更されるかたはこれに加えて、これまでの日本滞在において日本の法律を守っていたかが審査項目として加わります。

これを「素行の善良性」といいます。

これまで留学生であったときには、法定のアルバイト時間を超過していなかったかどうか、就労ビザの場合はビザで認められた範囲外の仕事をしていたかどうかなどです。

 

留学ビザの期限はまだ残っているがすでに退学してしまっているかたや、就労ビザの期間はまだ残っているが退職してしまったかたなどのハードルも高くなります。各ビザが求めている活動(留学ビザなら学生としての活動、就労ビザなら仕事)をしていないからです。

 

配偶者ビザ取得までのおおまかな流れは、まず外国人である御本人がみずからのために日本の入国管理局(出入国在留管理局)に在留資格変更許可を申請します。

 

在留資格変更許可申請が無事に許可されたら、入国管理局で配偶者ビザのあたらしい在留カードをもらうことができます。

すでに日本に滞在していますから、在外公館に査証を申請するというプロセスは不要です。

 

在留資格変更許可申請が不許可になった場合は再申請をすることができますが、不許可になった理由を解決しないと何度申請しても同じ結果を得ることになります。

残りの在留期限によっては、変更の再申請は難しいケースも多いでしょう。そのときには、その他の申請方法を模索することとなります。

 

なお「中長期の在留資格」とひとくくりにして論じることができることとできないことがあり、

在留資格「技能実習」、難民申請中のかたの在留資格「特定活動」、ワーキングホリデー中のかたの在留資格「特定活動」などは、個別の在留資格におうじた独自の注意事項があります。

 

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配偶者ビザ 条件

配偶者ビザ ポイント

 

配偶者ビザの申請ルート⑤:短期の在留資格から変更するケース

配偶者ビザの申請方法の5つ目は、日本に短期滞在の在留資格で滞在していた外国人の方が、日本人との結婚を契機に、日本にいながらにして配偶者ビザへと切り替える申請方法です。

 

国際結婚の手続きをするために日本に査証免除できた方や、短期ビザを取得して来日されたかたの中には、母国に帰国せずそのまま日本で結婚生活をはじめたいというご希望をお持ちのかたも多いです。

 

ニーズは極めて多いこの方法ですが、通常はビザの専門家の手助けなしに、この方法で配偶者ビザを申請されるかたはほとんどいません。入管にお問い合わせをされても、「いったん帰国して出直してください」とアドバイスされるでしょう。

 

なぜなら、短期ビザから配偶者ビザへ変更するというこの方法は、入管法という法律で、原則的に禁止されているからです。

入管法という法律に、この方法で申請された配偶者ビザは「やむを得ない特別の事情がないかぎり許可しない」と書かれています。

 

したがってこの方法で配偶者ビザを申請する場合には、通常の配偶者ビザを条件を立証するだけでなく、「やむを得ない特別の事情」の立証の負担を負うこととなります。

 

配偶者ビザ取得までのおおまかな流れは、まず外国人である御本人がみずからのために日本の入国管理局(出入国在留管理局)に在留資格変更許可を申請します。

 

ただし専門家に依頼せず一般のかたが自力で申請を試みる場合、入管において帰国をうながされる行政指導がなされることが多いです。

 

通常の在留資格変更許可申請の場合は在留カードとパスポートを提示して行いますが、短期滞在者は在留カードを所持していないため提示することができず、イレギュラー(異例)な申請であることが入管職員にたちどころに露見してしまうからです。

 

在留資格変更許可申請が無事に許可されたら、入国管理局で配偶者ビザのあたらしい在留カードをもらうことができます。

すでに日本に滞在していますから、在外公館に査証を申請するというプロセスは不要です。

 

在留資格変更許可申請が不許可になった場合は、その不許可理由を解消しなければならず、短期ビザの残りの日数を考えれば、通常は帰国することが多くなるでしょう。

 

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配偶者ビザ 条件

配偶者ビザ ポイント

 

配偶者ビザの申請ルート⑥:いわゆるパートナーチェンジのケース

配偶者ビザの申請方法の6つ目は、申請の難度は大変に高いので心してください。

 

日本人Aと結婚をしてその結婚を根拠に配偶者ビザを取得した外国人の方が、日本人Aと離婚して、在留期限内に別の日本人Bと結婚をしたケースにおいては、日本人Bとの結婚を根拠に配偶者ビザの在留期間の更新を申請することとなります。

 

この申請をするときには、通常の配偶者ビザの条件の立証に加えて、つぎのような点が厳重にチェックされます。

 

・前回の配偶者ビザの取得からどの程度の期間が経過しているか

・前回の配偶者ビザ申請に虚偽が含まれていないか

・前婚が実質的に破綻していたにも拘わらず、配偶者ビザの更新を過去にしていないか

など

 

要するに、再婚した日本人Bとの真剣な恋愛を強調すればするほど、日本人Aとの結婚が実質的に破綻していたことを裏づけることとなり、そうすると配偶者ビザが求める「配偶者としての活動」をしていなかったこととなるので法律違反の疑いが濃くなり、「素行の善良性」の要件を満たすことができないため「あちらを立てればこちらが立たず」の二律背反に追い込まれ、素人のかたが自己流に申請をすれば、ほぼ例外なく説明不足で不許可となります。

 

在留期間許可申請が無事に許可されたら、入国管理局で配偶者ビザのあたらしい在留カードをもらうことができます。

すでに日本に滞在していますから、在外公館に査証を申請するというプロセスは不要です。

 

在留期間更新許可申請が不許可になった場合は、その不許可理由を解消しなければならず、残りの日数を考えれば、通常は帰国することが多くなるでしょう。

 

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この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし) 

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザ