フィリピン人との国際結婚手続き

更新日時:2020年11月10日

行政書士 佐久間毅

1.日本で先に、フィリピン人と結婚する手続きのながれ

 

日本先行で結婚するときは、フィリピン人が日本に滞在しているときはもちろんのこと、日本人のみでも結婚を成立させることができます。

以下では、フィリピン人が日本に在住し、日本人とフィリピン人がそろって市区町村役場へ出向くことができるケースについて解説します。

短期滞在者のフィリピン人の方は、在日フィリピン大使館では婚姻要件具備証明書を取得することができませんので、別ルートについて東京・アルファサポート行政書士事務所へご相談ください。

 

■日本先行で結婚する手続きのおおまかな全体像

フィリピン人 結婚手続き
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■日本先行で結婚する手続きの細かなステップ解説

 

Step1 フィリピン人がフィリピン本国のPSAで、出生証明書などを準備する

 

在日フィリピン大使館でフィリピン人が婚姻要件具備証明書を取得する際の材料となる「出生証明書(Birth Certificate)」、「無結婚証明書(CENOMAR)」をPSAで取得します。

 

 

Step2 フィリピン外務省で、書類に認証を取得する

 

PSAで取得した出生証明書、無結婚証明書は、そのままでは日本で使用することができません。これらが本物であるか日本の市区町村役場は判断することができないからです。

そこで、フィリピン外務省(DFA)で認証を受け、たしかに本物であることについてお墨付きをもらいます。

 

 

Step3 フィリピン人が在日フィリピン大使館で「婚姻要件具備証明書(LCCM)」を取得する

 

フィリピン人が日本にある在日フィリピン大使館で、婚姻要件具備証明書(LCCM)を取得します。

婚姻要件具備証明書とは、フィリピン人のお相手が、フィリピンの法律に照らし、結婚できる状況にあることを証明してくれる書面です。

この書面がないと、日本の市区町村役場は、フィリピン人のお相手が結婚できるのかできないのか判断ができません。

申請の際は、日本人とフィリピン人のカップルお二人が在日フィリピン大使館へ出向くことが必要です。

 

(日本人の必要書類)

 

・戸籍謄本  (原本1通+コピー1部) 3カ月以内に取得したもの

・前婚がある場合、改正原戸籍または除籍謄本 ※戸籍謄本に前配偶者との婚姻、離婚、死別の記載が無い場合

・パスポートまたは運転免許証など写真付き身分証明書  (原本提示+データページのコピー1部)

・パスポート用サイズの証明写真 3枚

 

(フィリピン人の必要書類)※初婚のケース

 

・記入済み申請用紙

・パスポート(原本提示+データページのコピー1部)

・在留カード(原本提示+データページのコピー1部)

・フィリピン外務省認証済みPSA発行の出生証明書     (原本+コピー1部)

・フィリピン外務省認証済みPSA発行の独身証明書(CENOMAR) (原本+コピー1部)

・パスポートサイズの証明写真 (3枚)

 

・18歳から25歳の初婚フィリピン国籍者の方の追加書類:

 a) 18歳以上20歳以下の場合 – 両親の同意書

 b) 21歳以上25歳以下の場合 – 両親の承諾書

 

※両親がフィリピン在住の場合、フィリピン国内の公証役場で公証し、フィリピン外務省にて認証をうけます。

※両親が日本在住の場合、在日フィリピン大使館で作成します。

※両親が亡くなられている場合、フィリピン外務省認証済みPSA発行の死亡証明書を入手します。

 

 

上記のフィリピン人の書類は、初婚の場合です。離婚歴、婚姻無効歴、死別歴がある場合は、それぞれ別の書類が求められます。

 

 

Step4 日本の市区町村役場で結婚を成立させる

  

日本の市区町村役場に結婚届を提出して、結婚を成立させます。結婚届が受理されると、戸籍謄本にお相手の名前が記載されます。

 

(必要書類)

・婚姻届

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合

・日本人のパスポート

・フィリピン人の婚姻要件具備証明書

・フィリピン人の婚姻要件具備証明書の日本語訳

・フィリピン人の出生証明書

・フィリピン人の出生証明書の日本語訳

・フィリピン人のパスポート

・その他指示されたもの

 

 

Step5 在日フィリピン大使館に結婚を報告する

 

日本で成立した結婚をフィリピン政府に報告し、フィリピン側でも結婚を登録します。

 

(窓口申請の必要書類)

・記入済み婚姻届出書 (Report of Marriage)

・パスポートとそのデータページのコピー (夫:4通 – 妻:4通)

・婚姻届の届書記載事項証明書 (市区町村役場発行) (原本+コピー4部)

・戸籍謄本(婚姻事項が記載されているもの) (原本+コピー4部)

・遅延届宣誓供述書(日本国での婚姻後1年が経過しているとき

・パスポート用サイズの証明写真(夫:4枚 – 妻:4枚)

・返信用封筒レターパック520(窓口ではなく郵送での受領を希望する場合)

・申請費用

 

郵送申請も可能ですが、婚姻届出書に公証役場での認証が必要になります。

 

ダウンロード
在日フィリピン大使館_結婚届出書(Report of Marriage)
予告なく変更されますので、ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
Report_of_Marriage.pdf
PDFファイル 2.1 MB

 

Step6 日本の配偶者ビザを申請する

 

日本で結婚生活をおくる場合には、日本の配偶者ビザを申請します。

結婚が成立すれば配偶者ビザが自動的にもらえるのではなく、結婚した人の中から日本で生活しても良い人が選別されます。

婚姻が真実のものであることの立証に成功したかた、生活に支障のない安定的かつ継続的な収入のある方などには配偶者ビザが許可されます。

 

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 ・配偶者ビザ

 

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  STEP1:配偶者ビザの立証作業

  STEP2:配偶者ビザの条件 ※立証対象として

  STEP3:配偶者ビザの必要書類 ※立証手段として

  STEP4:配偶者ビザの補強書面 ※立証手段として

  STEP5:配偶者ビザの注意点

 

2.フィリピンで先に、フィリピン人と結婚する手続きのながれ

■フィリピン先行で結婚する手続きのおおまかな全体像

フィリピン人 結婚手続き
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■フィリピン先行で結婚する手続きの細かなステップ解説

 

Step1 日本人が市区町村役場で戸籍謄本を取得する

 

日本人が「婚姻要件具備証明書」の材料として、日本人が本籍地の市区町村役場で戸籍謄本を取得します。

 

Step2 日本人が在フィリピン日本国大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得する

 

フィリピンの役所は、日本人のあなたが法的に結婚できる状況にあるのか判断する材料がありませんので、日本政府が発行する日本人が法的に結婚できる状況にあることを証明する書類(=婚姻要件具備証明書)を取得します。

 

前婚が離婚の場合は、離婚証明書も取得します。

 

(必要書類)

 

・婚姻要件具備証明申請書

・戸籍謄本  3ヵ月以内発行のもの

 

 ※婚姻歴のある方は、戸籍謄本に前婚の婚姻及び婚姻解消(離婚等)の事実が記載されていることを確認します。

  記載されていない場合は、その事実の記載があるまで遡って改製原戸籍または除籍謄本を準備します。

  初婚の場合も分籍などにより申請者本人が戸籍の筆頭者になっている場合には過去に婚姻歴が「無い」ことを確認するため、

  戸籍が編製された理由(分籍等)の事実が記載されていることを確認します。

  記載されていない場合は,その事実の記載があるまで 遡って改製原戸籍または除籍謄本を準備します。

 

・パスポート

・フィリピン人の出生証明書(Birth Certificate)

・フィリピン人のパスポート

・未成年者の場合は,両親等法定代理人の婚姻同意書

 

(所要日数)

 

・原則として2日 

 

 

ダウンロード
在フィリピン日本国大使館における申請書
予告なく変更されますので、かならずご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。ご参考としてご提供しています。
証明書発給申請書_在フィリピン日本大使館.pdf
PDFファイル 209.2 KB

 

Step3 フィリピンの自治体で「結婚許可証」を取得する

 

 

市区町村役場(city hall)の民事登録部(Civil Registry Department)で結婚許可証を申請します。

民事登録部に10日間の公告された後、異議を申し立てる者がなければ、120日間有効な結婚許可証が発行されます。

 

手順1:カップルが2人で、民事登録部に行き、結婚許可申請書に記入します。シートの左側は新郎が、右半分は花嫁が記入します。

 

手順2:必要な書類を、記入済みの結婚許可申請書と一緒に民事登録部に提出します。

 

手順3:申請および結婚許可証の料金を支払います。

 

手順4:事前に結婚許可証の料金を支払っているため、その支払い済みの領収書は保管しておきます。

    申請から結婚許可証を請求できるようになるまで10日間待ちます。10日間の待機期間中は、申請者の結婚が公示されます。

 

手順5:公告に異議がなければ、民事登録部で結婚許可証が発行されます。

    結婚許可証の発行日から120日以内であれば、フィリピンの全国どこでも結婚することができます。 

 

(フィリピン人の必要書類)

 

・結婚許可証申請書 ※すべて記入済みのもの

・出生証明書(PSA) 原本1通とコピー2通

・CENOMAR   原本1通とコピー2通

・CEDULA(コミュニティ税証明書) 原本1通とコピー2通

・バランガイクリアランス 原本1通とコピー2通

・最近の1×1の写真 ※カラーでも白黒でも可

 

(日本人の必要書類)

 

・パスポート ※有効なもの

・婚姻要件具備証明書

 

Step4 フィリピンで結婚式を挙げる

 

結婚許可証の有効期限内に結婚式を挙げます。

 

手順1:結婚許可証が発行されると、カップルは希望する結婚式の日取りを提供します。

 

手順2:希望する結婚式の日付が可能かどうかの確認を待ちます。日付が利用可能であると、カップルは市役所で式典を行うか、または外部の会場を希望するか確認されます。

 

手順3:民事婚は通常、市役所内で行われ、市長または裁判官のいずれかが挙行を担当します。カップルには誰を結婚式の婚姻挙行担当官にするか選択をするオプションがあります。

    

手順4:結婚式の日付と場所が決定したら、夫婦は証人となってくれる2人を手配します。

 

手順5:市役所にもよりますが、通常は100.00フィリピンペソ程度の料金を支払う必要があります。

 

手順6:結婚式では、結婚の誓いを交換したり、結婚当事者や証人が結婚証明書に署名したりします。

 

手順7:市役所は、署名済みの結婚証明書を民事登録部に転送し、国の機関であるPSAにも必要な情報を提供します。

 

手順8:PSAから結婚証明書を取得できるようになるまで1、2カ月かかります。

 

Step5 フィリピンの「結婚証明書」を取得する

 

結婚式後15日以内に地元の役所で結婚証明書を取得することができますが、この市区町村レベルで発行される結婚証明書は、日本の出入国在留管理局での配偶者ビザ申請などには使用することができません。

 

Step6の日本への結婚の報告では使用できるでしょう。在フィリピン日本国大使館は市区町村レベルで発行された結婚証明書を受け入れますし、日本の市区町村役場もアルファサポート行政書士事務所の過去のお客様の経験では受け付けてもらえます。

 

市区町村で結婚が登録された後、国の機関であるPSAで結婚が登録されますが、このPSAが発行する結婚証明書がStep7でも使用できる結婚証明書です。

※日本の出入国在留管理局などが市区町村レベルが発行する結婚証明書を受け付けないのは、PSAでなければ重婚などを見抜けないシステムだからと説明されています。

 

 

ダウンロード
在フィリピン日本国大使館_翻訳フォーマット
予告なく変更されますので、ご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。
結婚証明書_翻訳フォーマット.pdf
PDFファイル 264.5 KB

Step6 日本の市区町村役場へ結婚を報告する

 

日本政府は、フィリピンで成立した結婚を自動的には関知しませんので、在外公館又は日本の市区町村役場へ結婚が成立した旨を報告します。

報告は日本人ひとりで行なうことができます。

在外公館へ報告すると日本の戸籍に反映されるまでに長時間かかりますので、先を急ぎ場合には日本の市区町村役場へ報告します。

 

(必要書類)

・婚姻届

・フィリピンの結婚証明書 ※アポスティーユ付き

・フィリピン人の出生証明書 ※アポスティーユ付き

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合

・日本人の身分証明書

・その他指示されたもの

 

Step7 日本の配偶者ビザを申請する

 

日本で結婚生活をおくる場合には、日本の配偶者ビザを申請します。

結婚が成立すれば配偶者ビザが自動的にもらえるのではなく、結婚した人の中から日本で生活しても良い人が選別されます。

婚姻が真実のものであることの立証に成功したかた、生活に支障のない安定的かつ継続的な収入のある方などには配偶者ビザが許可されます。

 

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  STEP1:配偶者ビザの立証作業

  STEP2:配偶者ビザの条件 ※立証対象として

  STEP3:配偶者ビザの必要書類 ※立証手段として

  STEP4:配偶者ビザの補強書面 ※立証手段として

  STEP5:配偶者ビザの注意点

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし) 

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザ