中国人との国際結婚手続き

更新日時:2020年11月10日

行政書士 佐久間毅

1.中国で先に、中国人と結婚する手続きのながれ

■中国先行で結婚する手続きのおおまかな全体像

中国人 結婚手続き
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■中国先行で結婚する手続きの細かなステップ解説

 

Step1 日本人が市区町村役場で戸籍謄本を取得する

 

中国の役所に提出することになる婚姻要件具備証明書の材料として、日本人が本籍地の市区町村役場で戸籍謄本を取得します。

 

Step2 日本人が「婚姻要件具備証明書」を取得する

 

中国の役所(婚姻登記所)は、日本人のあなたが法的に結婚できる状況にあるのか判断する材料がありませんので、日本政府が発行する日本人が法的に結婚できる状況にあることを証明する書類(=婚姻要件具備証明書)を取得します。

 

この書類は日本国内で準備することもできますし、中国に渡航してから取得することもできます。

どちらも一長一短ですので、後述するメリット・デメリットを比較して選択します。

 

方法1:日本国内の法務局で「婚姻要件具備証明書」を取得して、中国へ持参する方法

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方法1のメリット・デメリット

 

<メリット>

日本国内であらかじめ準備を整えてから中国へ渡航することができる(中国へ渡航後の処理事項が減る)

<デメリット>

・トータルで5か所の機関を巡るので非常に時間と手間がかかる

 

手順1:日本人が日本の本籍地で戸籍謄本を取得します

 

日本人が本籍をおいている市区町村役場で戸籍謄本を取得します。

 

手順2:各地にある法務局で、婚姻要件具備証明書を取得します

 

(必要となる書面・情報)

・日本人の戸籍謄本(なるべく新しいもの) 1通

・日本人のパスポート又は運転免許証等の身分証明書

・日本人の認印

・中国人のお相手の氏名

・中国人のお相手の生年月日

・中国人のお名前の日本語表記(簡体字を正しく日本正字に変換した情報)

・その他指示されたもの

 

(ご参照)

  ・東京法務局ホームページ

 

手順3:取得した婚姻要件具備証明書に、日本外務省で外務省で認証を取得します

 

法務局で入手した婚姻要件具備証明書は、そのままでは中国国内で使用することはできません。

中国政府は、この婚姻要件具備証明書が本物であることを確認することができないためです。

このため、日本外務省から、たしかに日本の法務局が発行した書類であるとのお墨付きを得ます。

 

(ご参照)

  ・外務省ホームページ

 

 

ダウンロード
日本外務省における認証申請書
予告なく変更されますので、かならずご自身で最新版を入手してそちらをご使用ください。ご参考としてご提供しています。
認証申請書_外務省.pdf
PDFファイル 163.8 KB

 

 

手順4:外務省で認証を受けた婚姻要件具備証明書に、在日中国大使館(中国ビザサービスセンター)から認証を得ます

 

日本外務省で認証を取得しても、まだそれだけでは婚姻要件具備証明書を中国国内で使用することはできません。

中国の婚姻登記所は、日本外務省の認証が本物であるか判断できないからです。

そこで、在日中国大使館が、たしかに日本外務省の認証であることについてのお墨付きを与えます。

在日中国大使館は中国の政府機関ですので、その認証があると、中国の婚姻登記所が安心して書類を受領できることとなります。

なお、在日中国大使館が認証できるのは日本外務省の認証が本物であるかについてのみですので、法務局で取得した婚姻要件具備証明書を直接(日本外務省の認証を飛ばして)在日中国大使館へ持ち込むことはできません。

なお、現在、東京・大阪・名古屋では、中国ビザサービスセンターが認証業務の申請先となっています。

 

(必要書類)

・パスポート

・パスポートの身分事項ページのコピー

・外務省あるいは外務省の授権した公証役場で認証した原本とそのコピー

・認証申請書

・その他指示されたもの

 

(ご参照)

在日中国大使館ホームページ

 

ダウンロード
在日中国大使館における認証申請書
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在日中国大使館_認証申請書.pdf
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手順5:中国の婚姻登記所から指定をうけた翻訳会社で中国語へ翻訳します

 

手順4まで完了したらそれを中国へ持参。結婚する婚姻登記所から指定された翻訳会社へ持ち込み、中国語訳を入手します。

 

日本の翻訳会社を使っても、現地で認められないことが多々ありますので、ご注意ください。

 

 

方法2:中国にある在中国日本大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得する方法

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方法2のメリット・デメリット

 

<メリット>

・たった2か所の機関にでむくだけで取得が完了するので簡便である

  >中国語で発行されるので、翻訳の必要がない

  >中国国内で発行されるので、認証をもらう必要がない

・中国の役所の関与がなく、日本の役所だけで完結するので日本人とっては安心である(中国語による交渉などが不要)

 

<デメリット>

・中国人のお相手が、在中国日本大使館・領事館から遠方に住んでいるときなどは、出頭するのが困難なこともある

 

手順1:日本人が日本の本籍地で戸籍謄本を取得します

 

日本人が本籍をおいている市区町村役場で戸籍謄本を取得します。

 

手順2:中国にある在中国日本国大使館や領事館で、「婚姻要件具備証明書」を取得します

 

日本人による申請で、当日交付されます。手数料は75元。なお原則として、中国の婚姻登記処には、婚姻相手の戸籍所在地を管轄する日本国大使館又は日本国総領事館の発行する婚姻要件具備証明書を提出します。

たとえばお相手の戸籍が上海にある場合であれば、北京の日本大使館ではなく、上海の日本総領事館で取得しましょう。

中国語で発行されますので、翻訳の必要はありません。

 

(必要書類)

・申請書

・日本人のパスポート

・日本人の戸籍謄本:1通(発行から3か月以内のもの)

・中国人の居民身分証

・中国人の居民戸口簿(現在、婚姻していないことが確認できるもの)

・その他指示されたもの

 

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在中国日本国大使館における申請書
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証明書発給申請書_在中国日本大使館.pdf
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Step3 中国の「婚姻登記所」で結婚を成立させる

 

主要都市の結婚登記所は独自のホームページをもっていますので、事前にお相手に内容を確認してもらいましょう。

婚姻登記所は中国人同士の結婚でも使う役所ですので、中国人にとってはメジャーな役所です。

結婚登記所にはカップルが2人で出向き、結婚が完了すると、その場で「結婚証」(赤い手帳)を交付してもらえます。

夫婦に1冊ではなく、双方に1冊ずつ交付されます。

 

(必要書類)

・日本人の婚姻要件具備証明書

・日本人のパスポート

・中国人の居民戸口簿

・中国人の居民身分証

・中国人のパスポート

・その他指示されたもの

 

Step4 日本の市区町村役場へ結婚を報告する

 

日本政府は、中国で成立した結婚を自動的には関知しませんので、在外公館又は日本の市区町村役場へ結婚が成立した旨を報告します。

報告は日本人ひとりで行なうことができます。

在外公館へ報告すると日本の戸籍に反映されるまでに長時間かかりますので、先を急ぎ場合には日本の市区町村役場へ報告します。

 

(必要書類)

・婚姻届

・結婚公証書

・中国人の出生公証書

・中国人の国籍公証書

・その他指示されたもの

 

Step5 日本の配偶者ビザを申請する

 

日本で結婚生活をおくる場合には、日本の配偶者ビザを申請します。

結婚が成立すれば配偶者ビザが自動的にもらえるのではなく、結婚した人の中から日本で生活しても良い人が選別されます。

婚姻が真実のものであることの立証に成功したかた、生活に支障のない安定的かつ継続的な収入のある方などには配偶者ビザが許可されます。

 

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 ・配偶者ビザ

 

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  STEP1:配偶者ビザの立証作業

  STEP2:配偶者ビザの条件 ※立証対象として

  STEP3:配偶者ビザの必要書類 ※立証手段として

  STEP4:配偶者ビザの補強書面 ※立証手段として

 

  STEP5:配偶者ビザの注意点

 

 

2.日本で先に、中国人と結婚する手続きのながれ

日本先行で結婚するときは、中国人が日本に滞在しているときはもちろんのこと、日本人のみでも結婚を成立させることができます。

 

以下では、中国人が日本に在住し(短期滞在でもOK)、日本人と中国人がそろって市区町村役場へ出向くことができるケースについて解説します。

 

■日本先行で結婚する手続きのおおまかな全体像

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■日本先行で結婚する手続きの細かなステップ解説

 

Step1 中国人が中国本土の公証処で、未婚声明書を準備する

 

・短期滞在者として来日する前に、中国本土の公証処という役所で、未婚声明書を入手します。

・香港、マカオのパスポート所持者である短期滞在者は、香港、マカオの機関から独身証明書を入手します。

・日本の中長期在住者は不要です。

 

Step2 中国人が在日中国大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得する

 

(必要書類)

・パスポートと写真のページのコピー

・在留カード原本とそのコピー

・声明書

・申請書

・その他指示されたもの

 

Step3 日本の市区町村役場で結婚を成立させる

 

 

日本の市区町村役場に結婚届を提出して、結婚を成立させます。

 

(必要書類)

・婚姻届

・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合

・日本人のパスポート

・中国人の婚姻要件具備証明書

・中国人の婚姻要件具備証明書の日本語訳

・中国人のパスポート

・その他指示されたもの

 

Step4 中国人の「戸口簿」の記載を既婚に変更する

 

 

Step3までの手続きで中国側の結婚も法的に成立します。

しかしながら中国人の戸口簿の記載を未婚のまま放置することは適切でないので(万が一お相手が悪い人であった場合、中国国内で知らぬ間に重婚されてしまうおそれもあり。)、これを既婚に変更します。

 

手順1:日本の市区町村役場で「婚姻届受理証明書」と「戸籍謄本」を取得する

 

手続きに必要な書類をあらかじめ確認し、市区町村役場で取得します。

婚姻届受理証明書だけでよいところもありますが、戸籍謄本を請求される役所もあります。

 

手順2:「婚姻届受理証明書」と「戸籍謄本」を日本外務省と在日中国大使館に持ち込んで、認証を取得する

 

日本の書面はそのままでは中国国内で使用できませんので、日本外務省と在日中国大使館で認証を取得します。

なお2016年以降、東京・大阪・名古屋の認証申請は、中国ビザサービスセンターでおこないます。

 

手順3:戸口簿を管理する公安で書き換えをします

 

中国では戸口簿の管理を公安が行なっています。日本でも警察が住居を訪問して居住者の氏名などを把握していますが、あれを制度化し整備したものです。戸口簿はその名のとおり建物ごとに作成されるので、同じ戸口簿に載っているのは、かならずしも親族とは限らず(例えばなどを想起しましょう。)、日本の戸籍とは似て非なる制度です。

 

Step5 日本の配偶者ビザを申請する

 

日本で結婚生活をおくる場合には、日本の配偶者ビザを申請します。

結婚が成立すれば配偶者ビザが自動的にもらえるのではなく、結婚した人の中から日本で生活しても良い人が選別されます。

婚姻が真実のものであることの立証に成功したかた、生活に支障のない安定的かつ継続的な収入のある方などには配偶者ビザが許可されます。

 

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  STEP1:配偶者ビザの立証作業

  STEP2:配偶者ビザの条件 ※立証対象として

  STEP3:配偶者ビザの必要書類 ※立証手段として

  STEP4:配偶者ビザの補強書面 ※立証手段として

  STEP5:配偶者ビザの注意点

 

■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし) 

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。執筆サイト:配偶者ビザ